結婚契約書(婚前契約書)とは

「結婚契約書」(婚前契約書)とは一般に結婚生活において生じうる様々な問題(たとえば育児や家事の分担、両親との同居や世話、夫婦の共有財産の管理など)についての夫婦間の約束を文書化したものをいいます。また結婚前に締結されることが多いので、「婚前契約書」や「Purenup」(プリナップ、プレナップ)などと呼ばれることもあります。

結婚契約書(婚前契約書)の契約内容の法的効果

赤の他人のみならず、夫婦であっても契約を交わすことは自由なので、公序良俗に反しない限り、原則としてどのような契約を結ぶこともできます。
もっとも、夫婦間で交わした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方から取り消すことができる、というのが民法の規定です。これは、夫婦間の問題は、できるだけ夫婦間で解決することが望ましいと考えられているからです。

ただ、この規定は正常な夫婦関係を想定しているので、実質的に夫婦関係が破綻している場合には適用されません。判例も、いつ契約を結んだかを問わず、夫婦関係が破綻した場合には、もはや契約を取り消せないとしています。

つまり、結婚契約書(婚前契約書)の内容は、夫婦仲が円満なうちはそれを自由に取り消すことができますが、夫婦関係が破綻してからは取り消せないと考えられているのです。

 

結婚契約書(婚前契約書)の契約内容の具体例

結婚契約書の契約内容の具体例には、一般に次のような内容があります。もっとも、これを全て結婚契約書に盛り込む必要性はありませんし、逆にこの内容に限られるものではありません。

1 家計の管理方法
2 両親との同居有無
3 仕事のこと(転勤の有無や転職の予定など)
4 子どものこと
5 現在の貯金額
6 現在のローン残高
7 家事の分担
8 親戚づきあい
9 理想の夫婦像
10 両親の介護

 

夫婦財産契約登記と結婚契約書

夫婦財産に関する結婚契約書については、登記することができます。これを「夫婦財産契約登記」といいます。

夫婦財産契約登記とは、夫婦が結婚の際に、夫婦の財産の取り決めをした契約書を作成し、その内容について法務局に登記する制度のことをいいます。英語でプレナップ、プリナップ(Prenup)等とも言われます。

  この「夫婦財産契約登記」は、あまり知られていませんが、近年、カップルの結婚意識の変化から、新しい結婚のスタイルの一つととして注目を浴びてきています。


そして今後も結婚の際に取り決めをするケースは増加していくものと考えられます。

では、この「夫婦財産契約登記」はどのように利用されるのでしょうか?

この制度は、一般に親族から相続財産の多い方や、外国人と結婚した方、また中高年の財産家の再婚者等が利用しています。時々芸能人や海外の王室の方などが「結婚契約書を作成し、その内容は・・・・・」といった内容で報じられています。

語弊を恐れずに言うなら、例えば結婚相手が「お金目当ての結婚をされて後でトラブルになったら困る!」という方が利用する制度ということです。

また各々の相続人等に相続争いの防止、また国際離婚の際の争いの予防にも、有効な登記といわれています。

実際の取り決めの内容は、婚姻費用の分担や夫婦の財産の帰属、管理方法などについて契約することになります。

「夫婦財産契約登記」は日本ではあまり知られていませんでしたが、外国においても「夫婦財産契約の登記のある国」では日本でよりも一般的に行われている登記です。

そしてこれは日本法による婚姻の場合は、婚姻前にする登記ですが、渉外婚(国際結婚)においては、外国法を準拠法にして夫婦財産契約した場合、日本への報告的婚姻後でも有効となる場合もあります。

また、米国では夫婦財産契約をする場合、公証人(Notary Publicといい、日本とは違い、結構資格者はあちこちにいます)での契約が前提ですが、日本では公証役場での公証なしの契約書でOKです。

ただし、一部例外を除いて契約変更については原則できませんので注意する必要があります。

 

結婚契約書の作成において本当に重要なこととは

当事務所に結婚契約書の作成の相談に来られる方の多くは、「結婚契約書のこの内容が法律的に有効か?問題などないか?」を心配されています。

確かにその心配はもっともなことです。

しかし、より重要なことは、「結婚契約書はあくまで円満な夫婦生活を送るための一つのツール」ということです。

そして、円満な夫婦生活を送るために重要なことは、「結婚契約書の見直し」です。

ある夫婦は、毎年一回夫婦で年末に「結婚契約書の見直し会議」をしているそうです。

このような見直しを定期的に行うことによって、「今年はデートの回数が少なかったな」とか、「もっと家事を手伝うべきだったな」等々、夫婦の問題点が浮き彫りになってくるものなのです。

ですから、結婚契約書を作成した後もほったらかしにせず、是非とも定期的な見直しをすることをおすすめいたします。

 

当事務所のサービスについて

当事務所では国際結婚、国際離婚業務で得た経験を生かし、法的に問題のない、納得のいく夫婦財産契約のサポートをいたしますので、夫婦財産契約書(結婚契約書)の作成をお考えの方は一度弊社までご相談下さい(国際法務事務所の強みを生かし、夫婦財産契約書(結婚契約書)の英語・中国語・韓国語等での作成も対応いたします)。

 

<結婚契約書作成サポート費用(税別)>

1.結婚契約書の作成及びコンサルティングサービス:¥100,000〜¥200,000

2.結婚契約書の公正証書作成サービス:1+¥50,000〜¥100,000

3.結婚契約書の英語・中国語・韓国語への翻訳(1ページ):
¥10,000〜(個別見積もり)

※結婚契約書の費用については、内容により大きく変わりますので、取り決めしたい内容を箇条書きにして、まずはメールでご相談くださいますようお願いいたします。