アメリカに提出する公証書類の認証方法

日本の場合、住所の証明は住民票や免許証、本人確認は免許証やパスポートで行うことが一般です。また、宣誓供述書(AFFIDAVIT)については、公証人の面前で行うことが一般的です。

しかし、アメリカに不動産購入やローンの申し込みのため日本の住所証明や本人確認書類を送付したり、アメリカの官公庁に提出する宣誓供述書を作成する場合、アメリカ領事館での認証が必要となることがあります。

また、日本支店(日本営業所)を登記する際にアメリカ領事館での認証を受けた宣誓供述書が必要となることがあります。

さらに、アメリカの会社の日本支店登記後も代表者の変更や日本支店の住所移転の登記を行う際にもアメリカ領事館(アメリカ大使館)もしくは本国の公証人が公証した宣誓供述書を準備する必要があります。

このように、アメリカ領事館、アメリカ大使館での認証が必要となる場合は、結構あります。

 

アメリカ領事館、アメリカ大使館での認証は面倒

通常、アメリカ領事館での認証は下記のような流れで行います。
1.本人が、予約のうえアメリカ領事館又は大使館に行く。
2.間違いがないかを確認するため、公証人が書類を一通り見る。
3.身分確認を行うために必要な、パスポート等のIDを担当の人に見せる。
4.署名を行う。(読みやすい字で指定された通りに)

※公証費用は50ドル

しかし、アメリカ領事館、アメリカ大使館での認証は思いのほか面倒です。

オンラインで予約を取ったうえ、指定の日時にアメリカ領事館、アメリカ大使館に出向く必要があります。

好きな時間に行ってすぐ認証、というわけにはいきません。

また、予約の時間に行っても、厳しいセキュリティチェックを受け、入管までに時間がかかります。

そのうえ、入館後も自分の番がくるまで待つ必要があります。

したがって、大阪市内にお住まいの方であっても最低半日程度の時間を犠牲にしなければなりません。

一方、地方在住であれば前泊で1~2日間必要な場合もありますし、更に大阪や東京に来るための交通費や宿泊費もかかってしまいます。

 

アメリカ領事館に行かずに公証手続きを完了する方法は?

このように、アメリカ領事館での認証は、費用、時間もかかる、結構面倒な手続きです。実際、働いているなら、できたら会社を休まずに手続きしたい、というのが本音かと思います。

そこで、何とかなる方法はないか?と探していたら、ありました。

米国バージニア州の公証人事務所がオンライン公証を行っていました。

これを使えば、自宅で15分程度で手続きを完了できます。

アメリカの公証人のオンライン公証の方法とは

 

アメリカのオンライン公証のサイトは、NotaryCamといいます。

こちらを以下で紹介します。

URL:http://www.notarycam.com/

 

公証の方法:ウェブカメラと電子署名の技術を利用します。公証したい書類をアップロードし、公証後、電子署名された書類をダウンロードします。
営業時間:米国東部時間で毎日8:00~23:00

日本時間では、22:00~翌日13:00(夏季[概ね4月~10月]:21:00~翌日12:00)となります。

ですので、日本の午前中であれば、手続きできそうですね。

必要なシステム要件:Webカメラ内蔵または外付けディスクトップ, ノート型PC (Windows, Mac)

ブラウザ:Google Chrome(EXPLOLERが可能かは不明)

身分証明証:パスポート(のスキャンデータ)

認証料金:米国内 25USD、米国外 79USD

公証に必要な時間:15分程度

 

オンライン公証の問題点

上記の通り、費用については2千円程度違うだけですし、時間も15分程度で済みます。

ですから、時間的にも地方在住の方はもとより、大阪や東京近郊の方にも大幅な負担と経費の削減になります。

問題は、手続きは英語ですので、多少の英会話力が必要ということです。

また、銀行や官公庁ではいまだに日本には原本主義がはびこっていることです。

例えば、アメリカ法人の日本支店設立の場合、宣誓供述書の作成が必要です。

しかし、法務局は原則は原本と考えています。

ただ、商業登記もオンライン申請が可能になりましたので、オンライン公証した書類の送付自体は可能です。

司法書士の方にも聞いてみましたが、周囲ではオンライン公証の宣誓供述書でアメリカの会社の日本営業所登記をやったことがある方は皆無のようです。

今後は是非、オンライン公証書類を使った登記を増やし、スムーズに登記できることが望ましいと思います。

※現状、当事務所では登記可能であったとの報告は受けておりませんので、ご自身の責任の下、やってみてください。

 

当事務所のサポート

上記のように、オンライン公証は便利ですが、多少の英会話力が必要となります。

そのため、英語が全くできない、という方には苦痛かもしれません。

そこで、当事務所では、オンライン公証の際に、事務所に来所いただき、ご本人様の横について、公証手続き申込及び通訳をサポートいたします。

これにより、英語ができない方でも安心して公証手続きが受けられますので、是非お気軽にお問合せください。

オンライン公証サポート:2万円+税