イタリアの等価証明書(Dichiarazione di valore)とは
イタリアで学業や仕事を希望する外国人にとって重要な手続きのひとつに 等価証明書(Dichiarazione di valore in loco) があります。これは、外国で取得した学歴や資格がイタリアにおいてどのように評価されるのかを証明する文書であり、大学進学、大学院入学、専門職免許の申請、さらには就労ビザ申請などの際に求められることが多い制度です。
日本からイタリアに留学や就職を考える方にとっても、理解しておくべき重要なプロセスとなります。
そこで以下、等価証明書の概要、発行機関、申請手順、必要書類、注意点を詳しく解説していきます。
等価証明書とは何か
「等価証明書(Dichiarazione di valore)」とは、外国で発行された学歴・資格証明書がイタリアにおいてどの程度の価値を持つかを公式に認める証明書です。
具体的には次のような役割を果たします。
1.学歴の正式認証
→外国の学校で取得した卒業証書や成績証明書が、イタリアの教育システム上どの学位・資格に相当するのかを確認します。
2.入学資格の判定
→例えば、日本の高等学校を卒業した人がイタリアの大学に入学できるかどうか、大学卒業者が大学院課程に進学できるかを判断する基準となります。
3.職業資格の裏付け
→医師、建築士、弁護士など、専門職で資格が必要な場合には、学位や専門課程の修了が正しく認められるかを確認するために用いられます。
4.発行機関
→等価証明書は、イタリア大使館または領事館が発行します。
日本の場合、イタリア大使館(東京)またはイタリア総領事館(大阪)が窓口になります。
申請者は、自身の学歴証明書を日本で準備し、それを大使館または総領事館に提出して、イタリアでの学歴の等価性を証明してもらう流れになります。申請は委任状があれば代理申請は可能です。
等価証明書の申請に必要な主な書類
等価証明書を申請する際には、以下のような書類が必要になります。
ただし、求められる書類はケースによって異なるため、必ず事前に大使館・領事館の公式案内を確認することが重要です。
①卒業証書(※アポスティーユもしくは公印確認が必要)
高校、大学、大学院などの卒業証明です。
②成績証明書(Transcript)(※アポスティーユもしくは公印確認が必要)
履修した科目、単位数、成績を記載したもの。
※アポスティーユ(Apostille)は日本の外務省が発行する国際的な公文書認証で、等価証明書申請には必須です。
③翻訳文(イタリア語)
卒業証書・成績証明書はイタリア語に翻訳する必要があります。認定翻訳者(traduttore giurato)による公式翻訳が求められることが多いです。
④パスポートコピー
本人確認用にパスポートコピーが必要です。
⑤申請用レター
等価証明が必要な理由等を記載して、提出します。
⑥戸籍謄本または抄本のコピー
出生地を確認するためです。
⑦住民票、運転免許証、保険証のいずれかのコピー
→現住所を確認する必要があるためです。。
⑧委任状
任意の様式ですが、必要事項が記載され、委任者の署名が必要です。
⑨返信用レターパック
※その他の資料が要求される場合もありますので、ご注意ください。
等価証明書の申請の流れ
①書類の準備
日本の大学や高校で卒業証書・成績証明書を取得。
②外務省でアポスティーユ又は公印確認を取得
③翻訳の用意
専門の翻訳者に依頼し、イタリア語に翻訳。
④大使館または領事館に提出
必要書類を揃え、予約の上で窓口に申請。
⑤書類審査
提出した書類の内容が審査され、問題がなければ等価証明書が発行されます。
⑥証明書の受領
審査期間は数週間から数か月かかる場合があります。余裕を持った申請が必要です。あくまで参考ですが、2025年9月時点では、大阪のイタリア領事館では2週間程度かかっています。
等価証明発行申請の際の注意点とよくある問題
①発行に時間がかかる
イタリアの行政手続きは時間がかかる傾向があり、ビザ申請や入学願書提出に間に合わないケースもあります。できるだけ早めに準備を始めることが大切です。
②翻訳の質が問われる
専門用語や学術用語を正確に翻訳する必要があり、不正確な翻訳は受理されません。
③大学や機関ごとに要求が異なる
ある大学では等価証明書が必須ですが、別の大学では必要ない場合もあります。事前に進学先や雇用先の条件を確認しましょう。
④アポスティーユ(公印確認)の取得忘れ
最も多いトラブルがこれです。外務省での手続きを忘れると申請は受け付けられません。
等価証明を日本人がよく利用するケース
①イタリアの大学への正規留学
②美術・音楽分野の専門学校進学
③大学院への進学
④建築やデザイン系の職業資格申請
⑤専門職(医師・弁護士など)での資格認定手続き
特に芸術系やデザイン系を志す学生にとって、等価証明書はほぼ必須の書類となります。
当事務所のサポート
イタリアで学業や職業活動を行うには、外国で得た学歴や資格が正式に認められることが不可欠です。そのための第一歩となるのが「等価証明書(Dichiarazione di valore)」です。
準備には時間と手間がかかりますが、早めに情報を収集し、正確な書類を整えればスムーズに進められます。
イタリア留学や就職を真剣に考える方は、まずこの制度を理解し、余裕を持って申請準備を始めることをおすすめします。
ただ、学業や仕事が忙しい等の理由でイタリア領事館に行く時間が取れなかったり、領事館の手続きが難しくて何をどうしたらいいのかわからない方もいらっしゃると思います。
でも、ご安心ください。
当事務所では、そのような方のため、安価な料金で、イタリア領事館での等価証明書取得代行を行っております。
等価証明書の申請でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
【業務報酬】
等価証明書申請サポート:4万円+税
※イタリア語公認翻訳者による翻訳の目安:別途1万5千円~2万円
領事館手数料:留学目的の場合は無料、ビジネス目的の場合は有料(※個別料金)
※等価証明書取得代行以外ののイタリア領事館での領事認証が必要なケースも代行しておりますので、お気軽にご相談ください。