国籍放棄証明書・国籍離脱証明書・国籍放棄宣言登録証明書とは

「国籍放棄」や「国籍離脱」に関連する証明書は、日本国籍を手放す際に発行される公文書です。ただし、名称や発行機関、提出される場面によって使われる証明書が異なります。

主に以下の3種類があります。

①国籍放棄証明書

②国籍離脱証明書

③国籍放棄宣言登録証明書

 

各証明書の定義と違いについて

① 国籍放棄証明書(Certificate of Renunciation of Nationality)

定義:日本国籍を自らの意思で放棄したことを証明する文書

発行機関:法務局または在外公館(大使館・領事館)

主な使用目的:外国籍を取得する際、日本国籍を維持できない国(例:中国、ドイツなど)への提出。

法的根拠:国籍法第13条(外国籍取得後の離脱)

提出義務者:外国国籍を選択した二重国籍者、日本国籍を手放したい者。

🔸 ポイント:本人が任意で放棄し、法的に「国籍を離脱したこと」を証明する最も一般的な証明書です。

② 国籍離脱証明書(Certificate of Loss of Nationality)
定義:法務大臣による審査を経て、日本国籍を喪失した事実を証明する文書。

発行機関:法務局(法務省本局)

主な使用目的:日本国籍を失ったことを明示する必要のある国際的手続き(婚姻、帰化、在留申請など)。

法的根拠:国籍法第11条(外国籍取得による自動的喪失)など

提出義務者:重国籍解消後の手続き、出生による重国籍の自動解消者など

🔸 ポイント:本人が放棄申請をしなくても、「一定の条件を満たすと自動的に日本国籍を喪失した」場合に発行される証明書です。

 

③ 国籍放棄宣言登録証明書(Certificate of Registration of Declaration of Renunciation)
定義:日本国籍を持つ者が、日本国籍を放棄する旨を正式に宣言し、登録されたことを証明する文書。

発行機関:法務局または法務省

主な使用目的:本人の明示的な意思による国籍離脱の法的根拠資料。特に自発的な放棄の手続き証拠に使用。

法的根拠:国籍法第12条(重国籍状態での国籍選択義務)

提出義務者:外国籍を持ちつつ、日本国籍を放棄する意志を明確に示す必要がある者。

🔸 ポイント:申請者が「宣言」という形式で放棄の意思を示した際に、その意思が法務省に受理され、登録された証明となります。

◆ 比較表

種類 自発的か 発行機関 使われる場面 備考
国籍放棄証明書 ◎ 自発的 法務局/在外公館 外国籍取得時、二重国籍解消 最も一般的な証明書
国籍離脱証明書 △ 条件付き 法務局 自動喪失・他国要求 放棄申請が不要な場合あり
国籍放棄宣言登録証明書 ◎ 自発的 法務局 放棄意思の登録 意思の法的登録証

 

◆ よくある誤解と注意点

①名称が似ているが、使用目的が異なる

⇒ 提出先(外国の役所、移民局、裁判所など)が求める証明の内容によって、必要な文書は異なります。

②提出国によってアポスティーユが必要な場合がある

⇒ 外国に提出する場合、翻訳+公証+アポスティーユ認証が求められるケースも多くあります。

③「離脱」と「放棄」は法的には違う行為

⇒ 「放棄」は本人の意思に基づくが、「離脱」は条件を満たせば自動的に国籍を失う仕組みです。

 

アポスティーユが必要となる場面

帰化申請の際、帰化申請の必要書類として、国籍喪失等の証明書を提出する必要があります。

その証明書を取得するには、「国籍離脱証明書の提出について」「国籍放棄宣言登録証明書の提出について」「国籍放棄証明書の提出について」という書類が法務局から出されますので、それを翻訳し、本国(出身国)の当局へ提出しなければなりません。

例えば、香港人が帰化申請する場合は、許可の直前に「中国の国籍放棄証明書を取得する方法について」という書類が渡され、「国籍放棄証明書の提出について」という書類を翻訳し、アポスティーユ認証して香港政府に提出するよう指示があります。

ただ、ほとんどの方が初めての経験で、何をどのようにしたらいいかわからないのが通常かと思います。

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